「パンとスープとネコ日和」 群ようこ
母親の急死後、仕事をやめてパンとスープのお店を始めたアキコさんと周りの人々との日常を描いています。
原作は読まずとも、WOWWOWの連続ドラマで観た方もいるんじゃないでしょうか。
小林聡美主演、フードコーディネーター飯島奈美…どっかで…そう、「かもめ食堂」に似た作品でした。
しかし、似て非なるもの。
ひとりでは生きて行けない、信じあえる仲間と一緒に過ごそう、というところは「かもめ食堂」と同じ。
「かもめ食堂」との大きな違いは、自分の周りの大切な人が亡くなって一人ぼっちになったという「喪失感」
そこから、蜘蛛の糸のような「救い」として、アキコさんは何を見つけるのか。
小説のテーマは、「おひとり様のカタルシス」
おひとり様で生きていくための必携アイテムは、いい仲間、いい相棒、丁寧に作るおいしいごはん。
「いちばん大事なのは自分がぶれないことよ」という言葉が胸に響きました。
にゃんこを飼ってるおひとり様の方には、ちょっとせつない一冊です。