「銀二貫」 高田郁
『みをつくし料理帖』で知られる高田郁の江戸期の大坂・天満が舞台の時代小説です。
仇討ちで父をなくした侍の子・鶴之輔は、寒天問屋井川屋の主人・和助に銀二貫で救われます。
火事で消失した天満宮再建のために工面した銀二貫とは…33両とのこと。
武士を捨て、名を松吉とかえ厳しい修行を乗り越え商人としての成長を描いた素晴らしい作品です。
どこが素晴らしいかというと、人と出会い助けられながら成長していくところ。
産地偽装や特許など、現代にも通じる問題をはらみながらも大坂商人のまっすぐな強さ。
いや~、きゅんとします。
時代小説を読まず嫌いしてました…すみません。
寒天は心太を寒空に干して乾燥させた、『寒晒しの心太』で寒天…って、知りませんでした。
『始末』 『才覚』 『神信心』
3つのうち、ひとつでも欠けたら店を大きくすることはおろか保っていくことさえ難しいという大坂商人の教え。
ワタシもまだまだ勉強することがいっぱいある(笑
昨日から、NHKの木曜時代劇で『銀二貫』が始まりました。
原作には登場しない柴犬(狛犬?)のテンちゃんが登場していますが…かわいいので許しといたるわ(笑
ドラマもいい感じに仕上がって、「ほんに安うてええ買物をしました」と語るラストシ-ンが楽しみです。